今ではインターネットを使って直接アプライ(出願)するのが主流ですが、紙のアプリケーション(願書)に必要事項を記入し、必要書類を集めて郵送する出願方法も行われています。下記では後者の手順を説明していきます。

1)大体1週間~数週間でアプリケーションやインフォメーションパケットが届きます。

もし事前に先方からEメールで「Information Packet送ったよ」と連絡が届いていたら、こちらも「届きましたよ。ありがとうございます(I received your school’s information packet. Thank you very much.)」 とでも書いて返信しておきましょう。

さて一通り情報に目を通して気に入ったら実際にアプライしてみましょう。もし分からない箇所があればメールなどで質問してみましょう。アメリカの大学はどんな些細な事でも詳細に教えてくれます。

What is the meaning of….(後は分からない箇所をそのままタイプする。)?
や What do you mean….(同上)? などの文章を使って簡潔に書いてみましょう。
注1):文章をどこかからそのままタイプする時は引用した部分をクォテーションマーク、“ ”、を忘れないように書きましょう。

注2)送っても返事がなかなか来なかったり、頼んだアプリケーションなどのインフォメーションパケットがいつまで経っても届かなかったら、再度同じメールを送って催促してみましょう。担当者にメールを転送してそのまま忘れる事が時々あります。それでも音沙汰がなかったら、対応が悪いのかもしれません。規模の大きな大学にはこういう事がたまに起こります。

2)さて、ある程度の問題も解決したら実際にアプリケーションを書いてみましょう。

ここでは僕が卒業したウィスコンシン州にある Concordia University, Wisconsin の大学院付属の大学のアプリケーションを例として使います。

まず1-6番をよく読みます。
1)このアプリケーション

2)Application Fee(出願料50ドル)をチェックなどで支払います。支払い方法は各々が使っている銀行で確認してください。

3)今現在在籍している高校や大学(もしくは卒業した)の成績証明書の英語に翻訳したものを用意します。

4)TOEFL、日本人の生徒がアメリカの大学にアプライする場合、必ずと言っていいほどこのテストのスコアが求められます。日本でも受けられます。
学校によって求められるスコアは幅があります。

5)推薦状です。2通と書いてありますが、それ以上でも構いません。むしろその方が良いでしょう。学校によってはアプリケーションの中にその書類が同封されている事があります。もし複数必要な場合はコピーをとっておきましょう。必要なのに手元にない場合は学校側に問い合わせましょう。(学校によっては特定のフォームなどなく、ただ漠然と推薦状や推薦理由の手紙を要求してくる学校もあります。書いてもらう人ですが、担任の先生や進路指導の先生に限らず「自分のことを正直にプラスに書いてくれる信頼できる先生」 に書いてもらうのが一番でしょう。例えば、部活の顧問の先生や寮の先生(寮生活を送っている場合)など、担任以外を選んでも構いません。

6)あなたの家庭が学費をきちんと払えるかの証明書です。通常は銀行でもらえます。ただの証明書なので表記した額がそのまま(もしくはほとんど)取られる事はまずありません。もちろん嘘は表記できないですが、無理してでもなるべく多い額を記載しておくと向こう(学校側)に安心感を与えます。

いよいよ自分の情報を書き込んでいきましょう。ほとんどのアプリケーションで求められるのは自分の情報(住んでる場所、家族など)、そして学歴、職歴、表彰歴といったものです。(ただしこのアプリケーションでは求められません)

このアプリケーションは各項目がボックスになっていますが、普通はアンダーラインです。その上にローマ字で一字一字丁寧に書き込みます。

まず1行目は、名前です。ミドルネームはほとんどの人が持っていないと思うので飛ばして下さい。2行目~5行目は自分が住んでいる場所です。日本は州制ではないので、State or Provnce のところは都道府県名、Postal Codeは郵便番号を記載します。そして書く時の注意ですが、必ず番地から逆に書いていきます。

例えば
東京都A区B1-2-3 アパート205 の場合
1-2-3-205, B, A -ku (最後にハイフンとkuを付けておきましょう、例:北区 → Kita-ku),
Tokyo, Japan, 123-4567(←最後が郵便番号です) 

と書きます。郵便番号の記号〒は いりません。

そして電話番号は81からはじめ市外局番の0を取って書きます。
例えば電話番号がが01-2345-6789だったら

(81)-1-2345-6789と書きます。

E-mailは自分が一番チェックしているアドレスを記載しましょう。
そして最後に生年月日と国籍(6&7行目)ですが、月もしくは日が一桁の場合は十の位に0と書きましょう。

例えば1999年3月28日生まれなら、

左の欄から順に 28 03 99 と記載します。

国籍の欄の Citizenship, Country of Birth, City of Birthはそれぞれ
Japanese, Japan, Tokyo(もし東京生まれならば) などと書いておけば良いでしょう。
ただし海外で生まれた人はその国と町の名前を書きましょう。

8行目は自分がいつ入学するかです。日本と違い、アメリカでは秋、春、夏に入学できますが、一番受かりやすいのは一年の始まりである秋入学です(実体験より)。

9行目は性別とどこに住むかですが、ほとんどの場合行き初めで住む場所のアテがないですから、campus resident(on-campus)のところにチェックを入れましょう。

学校によっては「どの寮に住みたいか?」書いてあります。分からない場合、学校側にメールで聞いてみましょう。聞く時、自分の希望を書いておくと良いでしょう。例えば、quiet(静か), non-smoking(タバコ嫌いの人は必須です)、not party dorm (アメリカのパーティー(飲み会みたいなもので夜通し騒ぐ所もあるので勉強に集中したい人にはたまったもんじゃない)、音楽の好みにもうるさい人はその旨を書いておくのもお勧めです。(パンクやヘビメタはイヤとか)

そして10行目ですが、visaのステータスです。大抵はF-1ですが、他の留学の場合は詳しい人や大使館に問い合わせてみましょう。

そして1ページ目の1番下の Degree/Program you are seekingは左から
Bachelor of Arts:文系
Bachelor of Science:理系
ESL Student:English as a Second Languageの略で、
英語を母国語としない生徒のためのプログラムです。語学留学だけの場合はこちらを選びます。

そして2ページ目

↑専攻科目の一覧です。自分が興味がある教科にチェックを入れましょう。ない場合はその下のSpecial Interestsから選びましょう。

最後のAffidavitは宣誓みたいなものです。「自分が書いてきたこのアプリケーションの情報に偽りがなく、自分自身で書きました。」という証明です。自分のサイン(日本語でも可)と日付をしっかりと記載しましょう。

3)終わったらアプリケーションの上の方に書いてある住所に他の必要書類と一緒に送りましょう。郵送した後、担当者に「アプリケーションをそちらに送付しました」とEメールしておくと良いでしょう。

このアプリケーションはあくまで一例です。

この学校ではShort Essay(小論文)を求めていないですが、大抵の学校では書かされます。他にも家族の情報や職歴、表彰歴など本来なら求められる事が多い質問がありません。

さてここからは上記とは違う大学のアプリケーションを紹介します。General Informationの項目は画像は載せますが、既に上記で紹介したので詳しい説明は省きます。(卒業した大学ですが諸事情により学校名と町の名前はマーカーで消してあります)


一行目は日本人の場合、International Admission、アメリカ国内で他校からの編入の場合はTransfer Admissionのところにチェックを入れます。なお、二行目の「いつ入学したいか?」の質問ですが、学校によっては秋入学だけしかないところもあります。真ん中より少し下の部分にあるCell Phone(携帯電話)の番号は携帯を持っていても書く必要はありません。そして今現在在籍している学校(高校)は公立、私立、学校名とその住所をしっかりと書きましょう。


この項目は自分のEducation Informationです (見辛い写真ですみません)。最初の行の受けたテストの項目ですが、ほとんどの日本人はTOEFLのスコアだけを書いておけば良いでしょう。SATも日本で受ける事ができますが、TOEFLと比べ物にならないほど難しいです(特に英語!!もう1教科の数学はそうでもありませんが・・・詳細は「大学留学について」のページ参照)。下から2行目(冒頭にマーカーでラインが入ってる行)はこの学校が第何希望か?と聞いています。日本ほど気にされないので正直に書いて構いませんが、本当に行きたい場合は第一希望(1st)のところにチェックを入れておきましょう。


奨学金申請欄です。勉強に自信がある人はアプライしても良いですが、インターナショナル生(留学生)は制限が多いです。


自分が日本の学校でやってきたActivityです。部活の表彰歴でも構いませんが、成績優秀者リストなどの表彰リストに載った事がある場合、そちらも記載した方が良いでしょう。また仕事などで表彰を受けた事がある場合も記載した方が好印象を与えます。尚、次の行の職歴(Job, Employer と書いてある行)ですがバイトでも構いませんが、書きたくない場合は N/Aとでも書いて飛ばしましょう。


ちょっと見にくいですが、家族の情報を各項目です。アメリカの大学では親がたとえ本当の親じゃなくてもきちんと書かないといけません(離婚なども)。親や兄弟の学歴や仕事歴も書かないといけないので、もし普段仕事や出張などで家にいない場合は予め必要な情報は聞いておきましょう。


Short Essay (通称:Personal Statement)のページです。問題の下には余白がありますが、通常はここに書かずパソコンなどでタイプします。ほとんどの学校が求めるEssayの長さは1ページ以内です。

課題ですが大抵の場合、

志望理由 (この学校で何を勉強したいか? なぜこの学校を選んだのか? など)
今までで一番成功した事や表彰された事などで自分にとってそれが最も重要な事は何ですか?
自分の国や世界などで起っている時事問題で自分にとって一番重要なこと。
自分に最も影響を与えた人
自分の好きなトピック

など様々です。一番無難なのは志望理由ですが、ただあまりにも誇張しすぎると学校側に「ちゃんと自分の学校を調べたのか?」などと不信感を持たせてしまいます。スポーツ強豪校でもないのにプロに入りたいと書くのは蛇足になってしまいます。(ただし違う国で自分が好きなスポーツに挑戦して、今後の自分に生かしたい!などは良いでしょう)